【プレスリリース】Journal of the Atmospheric Sciences

台風の急激な構造変化のメカニズムを解明
-台風の強度予報の精度を飛躍的に向上できる可能性-

慶應義塾大学の宮本佳明環境情報学部専任講師、杉本憲彦法学部准教授らの研究チームは、長年の謎であった台風の構造が急激に変化する現象について、気象学の基礎理論を基に新しい理論を構築し、メカニズムの解明に成功しました。

発達した台風には、中心付近に雲のない“眼”と、それを取り囲むリング状の雲“眼の壁雲”が存在しています。強い台風では、中心より外側に新たにもう一つリング状の雲“外側壁雲”が形成することがあります。外側壁雲の形成により台風の構造が急激に変化し、強度が劇的に変化するため、台風の強度予報が非常に難しくなります。しかし、その形成メカニズムは台風研究の中でも最大の謎の一つとされ、近年世界中で研究されてきましたが、未だ解明されていませんでした。今回の研究では、教科書にも載っている気象学の基礎理論を基に、これまでにない全く新しい視点から、この形成メカニズムを説明する新しい理論の構築に成功しました。この結果を基にすれば、台風の強度予報の精度を飛躍的に向上できる可能性があります。

本研究の成果は、米国気象学会(AMS)発刊の学術雑誌 Journal of the Atmospheric Sciencesのオンライン版に掲載されました。

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